おそらく誰もやってこない、隠れブログ。その昔書き散らしたものを、さりげなく・・
Posted by proteus - 2011.12.22,Thu
まるで畳の目のように整然と並んで息づく群衆があり
それぞれの生活はちょうど君たちのそれであり
戦後のバラックであり、明治の洋館であり、夏の縁台であり
世説新語であり、通俗小説であり
プロレタリア文学であり、アパートに一人暮らしの君たちのそれであり
網の目状の電車の線路であり
バスの路線図であり
みんなの生活は違うようで、よく似ており
よく似ているようで、全く同一なこともあり
ああ、違おうと努力しているのが
わずかな色の違いでわかる
小さな目の中の色の違い。それも必要なことなのかな
それらを記述し始めると
書きとめることさえもバカバカしい、とりとめのない事ばかり
小さな目の色の違い
それも必要なことなのかな
群体になれば
巨大な意志となれる筈なのに
'75, 5/ 6
それぞれの生活はちょうど君たちのそれであり
戦後のバラックであり、明治の洋館であり、夏の縁台であり
世説新語であり、通俗小説であり
プロレタリア文学であり、アパートに一人暮らしの君たちのそれであり
網の目状の電車の線路であり
バスの路線図であり
みんなの生活は違うようで、よく似ており
よく似ているようで、全く同一なこともあり
ああ、違おうと努力しているのが
わずかな色の違いでわかる
小さな目の中の色の違い。それも必要なことなのかな
それらを記述し始めると
書きとめることさえもバカバカしい、とりとめのない事ばかり
小さな目の色の違い
それも必要なことなのかな
群体になれば
巨大な意志となれる筈なのに
'75, 5/ 6
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Posted by proteus - 2011.12.22,Thu
電気が消えると
一軒一軒の家は
今まで人の姿をして息づいていたのに
静かにミニチュアになる
立ち上がると
私らよりも背の高い、
触れると柔らかい家々は
昔、田んぼだった所に建っていて
アスファルトで固められた道路や
ぴんと張られた電線がまわりにある
訪れた私
一軒一軒の家は
人の姿をして息づき
立ちあがって威圧する
家の主と話することを終え
辞儀をして背を向けると
バタンとドアの閉まる音に
あ、私は家と話をしていた、とふと思い
夜はひとしお深くなり
電気も消えて
静かに家はミニチュアになる
家、目を閉じると
呼吸しているような、反復運動をくりかえしている、家々の並びが見える
拓かれたばかりの谷合に
駅の周りに
メガロポリスに
電気が消えると
一軒一軒の家は
人の姿をして息づいていたのに
しずかにミニチュアになる
'75, 4/ 7
一軒一軒の家は
今まで人の姿をして息づいていたのに
静かにミニチュアになる
立ち上がると
私らよりも背の高い、
触れると柔らかい家々は
昔、田んぼだった所に建っていて
アスファルトで固められた道路や
ぴんと張られた電線がまわりにある
訪れた私
一軒一軒の家は
人の姿をして息づき
立ちあがって威圧する
家の主と話することを終え
辞儀をして背を向けると
バタンとドアの閉まる音に
あ、私は家と話をしていた、とふと思い
夜はひとしお深くなり
電気も消えて
静かに家はミニチュアになる
家、目を閉じると
呼吸しているような、反復運動をくりかえしている、家々の並びが見える
拓かれたばかりの谷合に
駅の周りに
メガロポリスに
電気が消えると
一軒一軒の家は
人の姿をして息づいていたのに
しずかにミニチュアになる
'75, 4/ 7
Posted by proteus - 2011.12.22,Thu
子猫が夜闇で鳴いている
不確かな足取りで
背丈以上の草を押し分けて
足もしっぽも濡れて
どうして生まれてすぐに
虚空にある家々の窓を見上げねばならない
どうしてその声が聞こえてくるのか
彼の目は見えているのか
母親の匂いを覚えているのか
声はだんだんと小さくなっていく
彼がただの物ならば
生まれてすぐに一声あげて
死んで風化されていってもいいだろう
彼は小さな声で鳴いた
生まれてすぐに
不確かな足取りで
背丈以上の草を押し分けて
静かに、夜闇の露の中で
'75, 4/ 6
不確かな足取りで
背丈以上の草を押し分けて
足もしっぽも濡れて
どうして生まれてすぐに
虚空にある家々の窓を見上げねばならない
どうしてその声が聞こえてくるのか
彼の目は見えているのか
母親の匂いを覚えているのか
声はだんだんと小さくなっていく
彼がただの物ならば
生まれてすぐに一声あげて
死んで風化されていってもいいだろう
彼は小さな声で鳴いた
生まれてすぐに
不確かな足取りで
背丈以上の草を押し分けて
静かに、夜闇の露の中で
'75, 4/ 6
Posted by proteus - 2011.12.22,Thu
人があらゆるすき間にも磯辺にも居て
友と語り合い、帰ったあとにも
まだ居るような空間が
そのあたりありそうな気がする
ここにも君の友達がいたのか
あそこには荷を頭に載せた人が歩いている
やがて年老い、老獪な顔つきとなった友と
まじめくさって話してた数年前の一瞬とが
交互に映り、だぶり、一枚の映像になっていく
一枚の生命の帯は
しなって垂れる芦原の茎の
風に揺れる様と同じ
騒げ風!
人があらゆるすき間にも野辺にも居て
すれ違った人々の、来た道の先での息づきと
行ったあとの息づかいとが
定かならぬままでも聞こえてくる
人はそこで人に諭してみたらいい、人生とやらを
そこにも君は居たのか
君よりも未来をよく知っている人がいる
一列に並んでぞろぞろと進み、脇へ退く群れ
老婆の託宣
一条のせんこうのけむり
君たちひとりひとりが立つ丸い石
'75, 4/ 2
友と語り合い、帰ったあとにも
まだ居るような空間が
そのあたりありそうな気がする
ここにも君の友達がいたのか
あそこには荷を頭に載せた人が歩いている
やがて年老い、老獪な顔つきとなった友と
まじめくさって話してた数年前の一瞬とが
交互に映り、だぶり、一枚の映像になっていく
一枚の生命の帯は
しなって垂れる芦原の茎の
風に揺れる様と同じ
騒げ風!
人があらゆるすき間にも野辺にも居て
すれ違った人々の、来た道の先での息づきと
行ったあとの息づかいとが
定かならぬままでも聞こえてくる
人はそこで人に諭してみたらいい、人生とやらを
そこにも君は居たのか
君よりも未来をよく知っている人がいる
一列に並んでぞろぞろと進み、脇へ退く群れ
老婆の託宣
一条のせんこうのけむり
君たちひとりひとりが立つ丸い石
'75, 4/ 2
Posted by proteus - 2011.12.22,Thu
死にたくない
と言った写真の人達が子供だった頃
親達は食事の仕度に奔走し
きのうもあすも知らない
彼らはあやとりごっこをする
死にたくない
と言った写真の人達が
おとなになって命令し、命令され
威張った顔と捨てられた衣類とが
同じトランクに詰められていて
彼らの行動を
もっと知りたくなる
ぼくらも一緒
恋人も一緒
昔話の
おじいさんもおばあさんも一緒
町へ出ていった息子達も
ベッドに横たわって、虚空に立ちのぼる白い息を互いに見つめながら
さっきつかまえかけた心の変化を
理解出来ない神秘事にして、黙るのも悲しい
理詰めで納得するのも同じ
死にたくない
と言った写真の人達の
写真の上で表情しているその顔色が
帰るべき体をなくして
水たまりの水面でゆらゆらと揺らぐに似ている
日がもっと照れば
かげろうになって立ち昇る
雨が降れば沫立つ
くもれば
ぼくらの顔が写る
'75/2/25
と言った写真の人達が子供だった頃
親達は食事の仕度に奔走し
きのうもあすも知らない
彼らはあやとりごっこをする
死にたくない
と言った写真の人達が
おとなになって命令し、命令され
威張った顔と捨てられた衣類とが
同じトランクに詰められていて
彼らの行動を
もっと知りたくなる
ぼくらも一緒
恋人も一緒
昔話の
おじいさんもおばあさんも一緒
町へ出ていった息子達も
ベッドに横たわって、虚空に立ちのぼる白い息を互いに見つめながら
さっきつかまえかけた心の変化を
理解出来ない神秘事にして、黙るのも悲しい
理詰めで納得するのも同じ
死にたくない
と言った写真の人達の
写真の上で表情しているその顔色が
帰るべき体をなくして
水たまりの水面でゆらゆらと揺らぐに似ている
日がもっと照れば
かげろうになって立ち昇る
雨が降れば沫立つ
くもれば
ぼくらの顔が写る
'75/2/25
Posted by proteus - 2011.12.22,Thu
どうしても不完全な私は
白い吐息のように虚空に向かって完全に消えたい
人は笑顔をしていたか
父母は空しい期待をしていたのか
私は楽しくすごしていたのか
さよならと言いたい
さよならと言って
また言いたいと言っているのだから
ほんとに言い切ってしまいたい
あ、数多くの仲間達が居て
かれらは小さくなっていく
今消えようとしている
ひとりふたり
かれらはみんな同じ顔をしていて
言いたいこと言えず
うずくまるのなら
別れの挨拶もせず
しおのひくようにさよならしたい
'75/2/21
白い吐息のように虚空に向かって完全に消えたい
人は笑顔をしていたか
父母は空しい期待をしていたのか
私は楽しくすごしていたのか
さよならと言いたい
さよならと言って
また言いたいと言っているのだから
ほんとに言い切ってしまいたい
あ、数多くの仲間達が居て
かれらは小さくなっていく
今消えようとしている
ひとりふたり
かれらはみんな同じ顔をしていて
言いたいこと言えず
うずくまるのなら
別れの挨拶もせず
しおのひくようにさよならしたい
'75/2/21
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